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MY UNCLE OSWALD by Roald Dahl
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ひょっとしたら、ご存じないかもしれないが、ギルトンとは大学の一部で、女子学生のカレッジだった。そして、今もそうである。 一九一九年現在、この陰気な塀のなかには、若い女性の一団が住んでいるのだが、見た目にも虫酸が走るような肉体、それに太い頸に長い鼻ときているのだか ら、のぞいて見る気にもならなかった。彼女たちはワニを思わせた。道ですれちがうときなど、背筋に悪寒が走った。めったに顔を洗わないし、眼鏡のレンズは 脂ぎった指紋で汚れている。たしかに頭がいい。大多数は才気煥発である。が、わたしに言わせれば、そんなものはささやかな代償にすぎない。
だが、待て。
ほんの一週間前、わたしは、こういった動物の標本のなかに、とてもギルトンの女子学生とは信じられないような、目もくらむばかりの美しき生き物を発見した のだ。立派に現存していたのだ。昼休みに、わたしはコーヒー・ショップで、彼女を見つけたのである。彼女はドーナツを食べていた。わたしは、彼女のテーブ ルに坐っていいかときいた。彼女はうなずいて、ドーナツを食べつづけている。わたしは椅子に座るなり、大口を開け、目を見開き、まるで彼女がクレオパトラ の生まれかわりであるかのように眺めていた。わたしの短い生涯で、これほど淫らな雰囲気をただよわせた若い女性、あるいは婦人にお目にかかったことはな かった。彼女はセックスの化身そのものだった。顔じゅう砂糖とドーナツだらけなのは、まったく問題ではない。
ーー『オズワルド叔父さん』ロアルド・ダール(早川書房/田村隆一・訳)